畦際には、レンコンが集中してできやすい。
なぜなら、ひとつの種レンコンから地中を這って伸びる茎が葉脈のように分岐して
広がった末端にレンコンができるため、弾丸のような茎の先端が畦にぶつかってくる
のだ。
当初は、盛夏に畦際まで伸びてきた先端を土のなかからそっと取り出して(葉の開き方
で方向が見当つく)、折らないように田の中心側に戻す「芽回し」という作業をして
いた。これをしないと、先端が畦や土手に潜り込んで貫通して水路や隣の田んぼにまで
広がったり、収穫期に大変なことになるのだ。
それでも勢いを増したレンコンの生命力はすさまじく、毎日のように点検して回らない
と、途端に畦や岸の土手に侵入してくる。しまいには水際まで立葉が覆ってきて、
足の踏み入れ場所もなくなってくる。時期的にも、けっこう大変な作業なので、最後は
諦めてしまうのだが…。
そうなると、思いっきり畦や土手のなかに食い込んだレンコンを掘るのは至難の作業に
…。放っておくと、翌年そこからまた芽が伸びて生育するので管理が面倒なことになる。
とりわけ我が家のレンコン田は、水路からの水を少しでも温めながら田に入るよう、
同時に排水しやすいよう、そして落水後も水棲生物が生き残れるよう、田の周りに副水路
を巡らせている。レンコンと副水路との境目にわざわざ設けた畦(内グロ)を、侵入した
レンコンのために崩しながら掘るのには、辟易させられた…。
そのため、去年の春に畦波板を大量購入して、レンコン田の周りをすべて囲ったのだ。
費用はかかったが、これであの労苦から解放されるぞー!…と。
しかし…
畦波板の下に潜り込んだトンデモ野郎が…(画像下。すでに掘りだしたところ)。
畦波板は40cmと50cmのものを場所に応じて設置したのだが、地表面から30cmしか入って
なかった場所だった。もっと深く入れないとダメだ…。
取り出した犯人。畦の中をこのくらい突き進んでいた。
板をどかしてトンネルのようにレンコンのまわりをえぐってなんとか引っ張りだした。
これ1本だけで10~20分ぐらい時間かけたんじゃないか…。
まだこの先も出てくるんだろうなぁ~(もう勘弁)