以前の記事で書いた、空き家まわりの伐木・手入れがひとまず終わった。
前の写真(↓)と比べたら、ビフォーアフターでさっぱりしたかな、と。剪定の出来はともかく…(画像拡大禁止)。
作業の締めくくりは、左側にある幹まわり1mはありそうな、ぶっとい栗の木!…ではなく、その栗に寄りかかるようにしている右の柿の木だ。二股になっていて、倒し方次第で幹が回って、右側の納屋の屋根にヒットする可能性がある。直径こそ30cmもないが、かかり木のようにほぼ横たわっている。なのに、根元も切れていない。だから、かかり木を外すときみたいに、折り倒しするにも根元がまだ離れていないから、伸張している地面側からチェーンソーを入れるか、圧縮している幹の上側からチェーンソーを入れて、途中でクサビを打ってバーが挟まれないようにすべきか、悩んだ。ありそうで、なかなかなかったタイプの伐木だ…。
牽引しての伐木になるだろうし、枝の片付け含めて今日でめどをつけたかったので、友人2人に手伝ってもらうことにした。
二股になっていた片側の幹(太枝)を梯子かけて切り下ろし、納屋側にあるもう片方の幹にロープをかけてプラロックでテンションをかけ、誤って納屋にヒットしないよう制御する。
結局根元(洞があったので、その上部)は悩んだ末、上も下も小さな受け口(V字)を作ってチェーンソーが挟まれないように上からクサビを打ち、左右も切れ目を入れてツルを芯状にして、下から切り込むことにした。
結果、挟まりかかった!なんとか抜いてクサビを叩くも、ちぎれそうにない。ツルを鉛筆上に細くしていったら、やっと切れて幹は地面に接地した。ふぅ…
このまま少しずつ折り倒して木が起きて、最後に手前に倒れてくれたら大したことなく終わるのだけど、思ったより枝先が栗の枝と絡んでいて、このまま折り倒していくと幹が宙吊りになりそう…と判断して、根元にもロープをかけて山側に引き起こしてずり倒すことにした。
右の杉の高い位置に支点(滑車)をとって、Vの字に張ったチルホールで根元を引っ張りあげる。
プラロックと同じ木をアンカーにしてしまったが、さほど重くないだろうと判断。2人で木の動きをみながら交互にレバーを動かす。あ、写真はもう事後です…倒れちゃってます(作業中は余裕なし)
狙いどおり、倒れてくれた!枝先が屋根をかすめたが、損傷なく済んだ。
倒したり損傷を与えてはいけない障害物・箇所がある場所、人から仕事として依頼を受けたならなおさら、慎重に、リスクをいろいろ想定して、準備する。山仕事・伐木は度胸も必要だけれど、判断を誤ったときのリスク・損害・危険の大きさを考えると、「いちかばちか」の賭けで人から受けた仕事をすることはできない、したくない。「過信」が一番こわい。
農村では、人の仕事は誰かしらに見られている。普段見慣れない、よそ者ならなおさら…だから損害を与えるような失敗や事故は、悪評となって信頼を得られないだろうし、逆にいい仕事をすれば、評判となって次の依頼の声がかかるかもしれない。
実は前夜、いろいろ考えてあまり寝れなかった。事前に現場で何度も木を見上げて、周囲を見回して、どうしたらうまくいくか、あれこれ考えていたのに。でも根元を引き上げて地面に降ろすアイデアは眠れないときに思いついて、想定の範囲内だった。だからなおさら、安堵感があって、達成感があった。プロの木こりや慣れている人からみたら、いや写真や言葉だけなら素人目にも全然たいしたことない作業かもしれないけど…(あんなに気苦労したのに、自分でも写真みたらそんなふうに思ってしまう)
うまく伝わったかわからないけれど、どんな仕事でも、責任を負った人にしかわからない緊張と、無事終わった充実感があるはずだ。それがやりがいとなって、モチベーションと次の仕事につながる…といいなぁ。
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