2020年3月6日金曜日

道具考:薪割り機

 
 3月に入って、ようやく薪割り作業。
 庭の伐木仕事でいただいた柿の木を割ってみたら…芯が黒い。
 この木は細く根元に洞ができていて、芯の腐食も始まっていたので
薪以外の利用は考えなかったけれど、黒い芯や模様が現れた木材としての柿の木は
高値で取引されるようだ。


 この薪割り機は破砕力が13tあるエンジン式で、節があっても固くても、
たいがいの木は問題なく割れる。当初は斧で割っていたがとっても追いつかないので、
たしか4年くらい前に思い切って購入した。

 薪を押す油圧シリンダーを戻すとき、レバーを一度戻す方向に傾けたら手を放しても
自動で戻っていく(軽く触ると止まる)ので、次に割る丸太をセットする時間が稼げる
のがとてもよく、作業がはかどる。台の高さは少し腰をかがめての作業になるが、
高過ぎず低過ぎずでまずまず。レバー操作だけなら、ひっくり返したコンテナを椅子に
するとちょうどいい。

 重さは100kgちょいあって、平らなところなら先端下にある支柱のハンドルを持ちあげて
移動することもできるが、軽トラの荷台に上げたり傾斜地や不整地をひとりで引っ張る
のは、けっこう厳しい。いつかハンドルの持ち手の反対側にキャスターを溶接して、
移動が少しは楽にできるようにしたい…。

 決して安くない薪割り機だけど、最近はだいぶラインナップが増えている。
破砕力があったほうが当然よいけれど、値段に比例する。あ、手動式のは時間かかり
過ぎるし、電動のは(僕がやってみたことあるのは)直で節もない杉のような丸太しか
割れないわりに電力を食いすぎるので、おススメできない。ホームセンターでも破砕力
あるタイプが販売されているけど、同じような破砕力のある薪割り機と比べて安過ぎる
ので、そのぶん耐久性やメンテナンス性に難があると覚悟したほうがよい(以前の職場で
実感)。

 薪を割る刃がシリンダー側についているタイプと、受け手側についているタイプが
あって、前者は割れた材が目の前に落ち、後者は割れた材が刃を通り越した先に
落ちていく。
 作業性だけなら前者のほうがもう何度か薪を細かくしたいときに台に再度載せやすい
が、シリンダーの負荷を考えたら後者のほうがいいみたい。

 以前、国産の伝統的?薪割り機で薪作りを手伝ったことがあるが、シリンダーを戻す間
ずっとレバーに手を添えていないといけなかったり(しかもスピードが遅い)、台も
低くて(ほぼ地面)重たい丸太を乗せるときはまだいいけど、ずっと屈んでの作業は
辛かった。
 

 軟弱者の僕は、もう斧には戻れそうもない…。
 けれど寒いときに斧で割るのは、なんというか精神統一のような、集中力が
研ぎ澄まされて、清々しい気持ちになれる。効率や体力的負担はともかく、原点に
帰るような気持ちを思い出させてくれる。

 だから、たまにはあえて斧で…(小声でフェイドアウト)

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